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レディースアパレル活性化委員会推奨…ブティック(婦人服専門店)の紹介サイト あるっくじゃぱん



 
 
アパレル法律相談所 
in あるっくじゃぱん
アパレル・ファッション業界の小さな悩み解決します!
『リーガル・ソリューション法律事務所』

 弁護士 南 昌作

【南弁護士 経歴】
■昭和47年 大阪府生まれ
■平成12年3月 神戸大学法学部卒業
■平成12年4月 弁護士登録
 ・弁護士法人御堂筋法律事務所 入所
■平成19年10月
 ・弁護士法人御堂筋法律事務所 退所
 ・リーガル・ソリューション法律事務所 開設

■大阪市北区西天満2-6-8 堂島ビルヂング 715

<< 主な取扱い分野 >>
 ・事業再生・債権回収,労務問題等,中小企業の企業法務全般
今まで
法律的な相談をしたくても、
近くに知り合いの弁護士がいなかったり、
相談料金が判らないから
二の足を踏んでいた方。

お任せ下さい。

あるっくじゃぱんの顧問弁護士が、
一肌脱いでくれました。
日頃の小さな悩みについて、
親身に答えて頂けます。 


相談内容は、当サイトでQ&Aとして公開します。
ご相談内容を、当サイトにごメール下さい。
南弁護士にお伝えして、
回答して頂きます。

但し、
大変忙しい南弁護士ですから、
緊急のご相談にはすぐにお答え
できません。

また、
ご相談内容によっても
お受けできない場合があります。

ご相談は、あるっくじゃぱんまでお送りください。

以下、公開 Q&Aです。
 -Q.15-
【他所のことと思っていましたら、当社でも。
経歴詐称について教えてください】

やっぱり出るかなと思った問題が質問に来ました。
こればかりは、私にもわかりません。やはりプロの南先生に登場してもらわないと・・・以下の問い合わせです。御社ではありませんか?

==========================================

 「いま世間で「経歴詐称」と言うことが話題になっていますが、それは、テレビなどに出る公人(もしくはそれに近い人)や芸能人だからこれほどまでに問われるのかと思いましたが、実際に私の周りでも、多少の過去の経歴(自己破産など)を伏せている人がいるのも事実です。 それが現在の仕事に影響を及ぼすようなことでもなければ、取り立てて騒ぐこともないかと思います。

 ところが、他人事と思っていたことが当社にも起こりました。1か月前に知人の紹介で弊社に転職してきた52歳の男性が、過去の経歴をすべて明記せず、空白期間は無職としていました。
 私も、知人の紹介なので、あまり詮索せずに、人柄で採用しました。が、その空白に実は同業他社に勤務して、その時に社内で傷害事件を起こしていたようです。が、それも示談で終わっているので、表沙汰になっておらず、知人も知りませんでした。

 実は、同業の組合の会合で、ひょんなことからその時の会社の社長が隣席となり、雑談の中でそれが判ったのです。
 本人と相当にもめたとのことですが、当時は解雇扱いせず、当人からの退職届けが出て、自主退職で受理したとのことです。

 その勤務先を履歴書上隠していたのですが、これは問題ではないかと思うようになりました。

 まあ、今のところ本人の対人関係や仕事ぶりは問題はないので、私の胸のうちにしまっておくことにして静観しますが、当社の労働契約には、そのような経歴詐称などのことは明記していません。
 当人が向上心をもってまじめに仕事してくれるなら、私の責任で、過去は過去、今は今としてみようと思います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
長くなりましたが、お聞きしたいのは、下記2点です。一般論としてお教えいただければ有り難いです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1)経歴上の職務の内容を伏せるというのは、通常の会社勤めではどのような罰則があるのでしょうか?
 履歴書に明記していなければわからないので、あとで発覚しても、時間が経ったことによって、遡るわけにもいきません。それを知らずに雇用した会社に非はないと思いますが、万一解雇する場合は、それを理由に出来るものでしょうか?(この場合は、会社都合ではないと思いますが。)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2)今後のために雇用契約書にも明記しようかと思いますが、契約時点での注意点があればお教えください。

以上、宜しくお願い致します。」


==========================================
私も過去に耳にしたことはあります。アパレル業界も相当に転職が多い業界で、しかも色々な経験者もおられます。人づてや簡単な紹介で受け入れを決めることも多々ありますね。紹介者も気軽に紹介しますし・・・。
さて、南弁護士の名回答はいかに・・・

 
-A.15-



 まず,「経歴詐称」とは,労働者が企業に採用される際に提出する履歴書や面接等において,学歴・職歴・犯罪歴・病歴などを詐称し,もしくは真実を秘匿することをいい,多くの就業規則において懲戒解雇事由とされています。

 判例上も,使用者が,雇用契約の締結に先立ち,労働者の経歴等,その労働力の評価と関係のある事項ばかりではなく,当該企業への適応性,貢献意欲,企業の信用の保持等企業秩序維持に関係する事項について必要かつ合理的な範囲内で申告を求めた場合には,労働者は,真実を告知すべき義務を負っているというべきであると解されています (炭研精工事件・東京高判平3.2.20)。
 したがって,労働者による経歴の詐称は,雇用契約上の真実告知義務に違反し,企業秩序を侵害するものとして,懲戒解雇事由となるとされています。
 また,労働者として採用後,長期間にわたり勤務を継続した場合,経歴詐称による懲戒解雇が可能かという点については,労働契約は信頼関係を基礎とする継続的契約関係であるところ,経歴詐称という背信的行為により,本来採用されなかったにもかかわらず採用され,あるいは使用者の適正な配置を阻害し,企業秩序を侵害している以上,懲戒解雇は可能であると考えられています。裁判例においても,採用後6年経過後の経歴詐称を理由とする懲戒解雇を有効と判断したものなどがあります(正興産業事件・浦和地裁川越支決平6.11.10)。
 ただし,すべての「経歴詐称」が懲戒解雇の対象となるわけではなく,「重大な経歴」を詐称した場合に該当することが必要です。「重大な経歴」の詐称とは,労働者の採否の決定,あるいは採用後の労働条件の決定に影響を及ぼすような経歴に関するものであり,偽られた経歴について,通常の使用者が正しい認識を有していたならば雇用契約を締結しなかったであろうところの経歴を意味します(日本鋼管事件・東京高判昭56.11.25)。
 通常,学歴・職歴・犯罪歴・病歴などが「重大な経歴」に該当し得ますので,これらについて,順に見ていきます。

(1) 学歴詐称
 学歴に関しては,労働力の適正な配置を誤らせる等の理由がある場合には,これに基づく解雇は原則として有効と判断されています。
 すなわち,会社の職位が学歴別に設定されている場合(三菱金属鉱業事件・東京地決昭46.11.25),学歴を確定的な採用条件としている場合(スーパーバック事件・東京地判昭54.3.8),高卒・中卒のみを採用する人事労務管理体制を一貫している場合(硬化クローム工業事件・東京地判昭60.5.24),などです。
 これに対し,解雇が無効とされるのは,学歴の詐称により経営の秩序が乱されたとはいえない場合(西日本アルミニウム工業事件・福岡高判昭55.1.17),学歴・職歴が労働力の適正評価に何ら影響がない場合(マルヤタクシー事件・仙台地判昭60.9.19)などです。
 また,
採用にあたり学歴不問としている場合には,学歴について真実を告知する義務はありませんので,この場合,学歴詐称があったとしても,懲戒解雇事由とはなりません(近藤化学工業事件・大阪地決平6.9.16)。

(2) 職歴詐称
 職歴に関しては,経験者であることを秘匿した場合と,経験者ではないのに経験者であるという虚偽の申告をした場合とがあります。
 経験者であることを秘匿した事例として,経験者を雇用しない方針のタクシー会社が採用面接の際にその旨を伝えていたにもかかわらず,過去に別のタクシー会社に勤務し,かつ,懲戒解雇されていたことを秘匿していたタクシー運転手に対する懲戒解雇が有効と判断されたものがあります(弁天交通事件・名古屋高判昭51.12.23)。
 他方,大学入学の事実はなく,また警察官としての経歴も警察学校在籍期間を含めて1年5か月しかなかったにもかかわらず「大学中退・警察官として9年勤務」と学歴・職歴を詐称した場合には,いずれも重要な経歴の詐称として懲戒解雇は有効とされています(相銀住宅ローン事件・東京地決昭60.10.17)。

(3) 犯罪歴
 犯罪歴の詐称も重大な経歴の詐称として懲戒解雇事由に該当しますが,有罪判決を受けることになる刑事事件の裁判の最中であり,保釈中の身であったにもかかわらず,履歴書に「賞罰なし」と記載していた事案について,裁判例は「賞罰」にいう「罰」とは,確定した有罪判決を指し,公判が係属中で有罪判決が確定する前の事件については含まれないとしています(炭研精工事件・東京高判平3.2.20) 。
 また,執行猶予期間の満了により刑の消滅した前科は,その存在が,労働力の評価に重大な影響を及ぼす特段の事情がない限り,告知すべき信義則上の義務はないとされています(マルヤタクシー事件・仙台地判昭60.9.19)。
 さらに,起訴猶予事案等の犯罪歴(いわゆる前歴)や少年時代における非行については,申告義務はないとするのが判例です。


以上のとおり,経歴詐称については,様々な問題が生じ得るところですので,就業規則において経歴詐称が懲戒事由に該当する旨明確に定めるとともに,雇用契約を締結する際にも,その点十分に説明しておく必要があると考えられます。
                 以上
 -Q.14-
【取引先の経営者の突然の死。
売掛は?在庫は?どうなる?】

盆休み前のある日、ミセスメーカーの社長から慌てた様子で電話がありました。その内容は、世間一般にはありそうかことですが、これがお店の経営者となると少し話しが違ってきそうです。
さて御社の取引先にそんな環境のお店はありませんか?


「増本さん、ちょっと困ったことになったのですが、教えてもらえないでしょうか?」で始まった相談内容は下記のとおりです。
弊社の取引先には,高齢のオーナーも多く,そのため自主廃業(閉店)なども日常茶飯事です。
ただ,その場合はきちんと整理されるので問題はないのですが,今回は高齢(70代)の女性オーナーがひとりでの経営していた店でした。そしてそのオーナーが急死されたのです。
家族は外に嫁いだ娘3人が居るのですが,3人とも相続放棄で,商売のすべてのことは知り合いの司法書士に買い掛けの精算や貸し売りの回収など全てを任せたのです。

そのため我々仕入れ先の支払いもそれらの内容がはっきりしないと出来ないと言われました。
そこは時間はかかるかなと納得できましたが,納得できなかったのは,委託で貸している夏物商品の在庫をすぐに返して欲しいとお願いしたら,その残務整理ができるまで商品は動かせないと言われたことです。
委託(貸し出し)伝票なので、その在庫の所有権はこちらのはずだし、その商品をそこに置いておくのはこちらとしても在庫販売の機会ロスとなるのです。

こういう場合は,その司法書士に言って、うちの商品を引き上げたらまずいんでしょうか?
司法書士さんの言われる整理ができるまで待っていて、そのあと返されても転売できないですよ。
(いつまでか期日が分からないし・・・)
経営者が突然亡くなった場合の売掛と在庫については,管財(代理)人が支払いあるいは返品などしてくれるものなんでしょうか?


まさかの展開ですね。後継者が居ないということは、こう言うこともあるということです。もちろんその経営者が遺言でも残していれば話しは別でしょうが。

さて、南弁護士の名回答はいかに・・・

 
 -A.14-



まずはご質問の事例については,いくつか論点を整理しながら検討する必要があります。

1 相手方は誰か。
 まず,本件では女性オーナーの娘さん3人が相続放棄したということですが,それだけでは相続人が不存在ということにはなりません。すなわち,次順位の相続人である被相続人の直系尊属や兄弟姉妹が存命であれば,その方々が相続人となります。
 したがって,当該司法書士がその相続人から委任を受けていれば別ですが,そうでなければ女性オーナーと司法書士との間に存したと考えられる委任契約は,委任者である女性オーナーの死亡により原則として終了しますので(民法653条1号),その司法書士はもはや女性オーナーの相続財産を管理処分等する権限がないということになります(また,司法書士は原則として140万円を超える民事事件を扱えないという問題もあります。)。
 その場合,貴社が交渉すべき相手方は,当該司法書士ではなく,女性オーナーの相続人ないし当該相続人から委任を受けた代理人ということになります。
 他方,女性オーナーに直系尊属や兄弟姉妹もなく,法定相続人がいない場合も考えられます。その場合には,女性オーナーの相続財産は「相続財産法人」となり,利害関係人の申立てにより裁判所が選任する「相続財産管理人」が管理し,清算していくことになります。
  したがって,その場合に
貴社が交渉すべき相手方も,当該司法書士ではなく,相続財産管理人ということになります。

2 商品の引き上げが許されるか。
 次に,貴社が女性オーナーに委託で貸していた貴社の商品を強硬に引き上げることが許されるでしょうか。
  この点,当該司法書士が女性オーナーの相続財産を適法に管理処分する権限を有しているか否かにかかわらず,当該司法書士が占有している貴社の商品をその司法書士の承諾を得ずに強硬に
引き上げることは許されないということになります。
 これは,いわゆる
「自力救済の禁止」と言われるもので,たとえ貴社に所有権が存する貴社の所有物であっても,我が国はあくまでも法治国家ですので,裁判所を通じた手続(動産引渡しの仮処分命令等)を経ずに,実力で取り戻そうとすることは許されないというものです。
 このことは,刑事的にもはっきりと定められています。
 すなわち,いわゆる窃盗罪について,「他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」(刑法235条)と規定されているのですが,刑法では,「自己の財物であっても,他人が占有する(中略)ものであるときは,(中略)他人の財物とみなす。」(刑法242条)と規定されており,
自己の所有物であっても,他人が占有(所持)している限りは他人の物とみなされるということになっているのです。
 そして,
「窃取」とは,財物についての他人の所持を侵害して,自己又は第三者の所持に移すことと定義されていますので,たとえ貴社に所有権が存する貴社の商品であっても,それを占有(所持)する司法書士から無断で引き上げようとする行為は,「窃盗罪」に該当するということになります。
  
3 経営者が突然いなくなった場合
 また,経営者(個人事業主)が突然いなくなった場合ですが,その経営者が死亡したのであれば,上記と同様の処理がなされることになります。
 他方,死亡ではなく,行方不明になったという場合には,当然には誰かが経営者に代わって清算をしてくれるということにはならず,利害関係人が「不在者財産管理人」の選任を裁判所に申し立てて,当該不在者財産管理人に管理清算事務を行っていただく必要があります。
 すなわち,
「不在者財産管理人」とは,従来の住所又は居所を去り,容易に戻る見込みのない者(不在者)に財産管理人がいない場合に,家庭裁判所は,申立てにより,不在者自身や不在者の財産について利害関係を有する第三者の利益を保護するため,財産管理人選任等の処分を行うことができるという制度です。
 このようにして選任された不在者財産管理人は,不在者の財産を管理,保存するほか,家庭裁判所の権限外行為許可を得た上で,不在者に代わって,遺産分割,不動産の売却等を行うことができます。
               以上

-Q.13-
【ホームページの著作権について・・・】

とある小売店オーナーからの素朴な質問です。でも今時にありがちなことです。それは・・・

弊社は、大阪で15年ほどブティックを営んでいます。6年前にパソコン教室に通い、その時から自前でホームページを作ることが出来ました。
今では、ブログからフェイスブックなども楽しんで続けることが出来、お客様との交流も増えています。自前のHPにお買いものカートも加えて、少しずつですが、リピーターも増えています。
ただ最近になって、お客様から「似たようなページがある」との指摘から、そのページを見ると、個人情報保護基本法などの文面が、ほとんど酷似しており、弊社の丸々コピーだと思えます。
パソコン教室で、自前のHPを作る場合、ページの下に「Ⓒ・・・,All rights reserved」といった著作権表示をした方が良いと言われて、全てのページにつけていますが、これは無意味なのでしょうか?
まだ実害はありませんが、今後そのようなことが出てきた場合は、相手方に対して警告できるのでしょうか?
どうぞお教えください。


ここまで世の中でHPが氾濫してくると、この手の話しは尽きないでしょうね。判るような気がします。弊社もそれに近いことありますから。

さて、久々の南弁護士の名回答はいかに・・・

 
-A.13-


 まずはじめに、ホームページ末尾に記載された「©2006 ABCD, All Rights Reserved」とはどういう意味でしょう。
ご存知のとおり,「Ⓒ」(マルシー表示)は「Copyright(著作権)」 の略記号です。そして,「©2006 ABCD, All Rights Reserved」とは,「本ページに記載又は掲載された文章又は写真等は,2006年に創作された著作物であり,そのすべての著作権はABCDが留保している(ため,無断複製等は認めない。)。」という意味になります。

これは,元々,万国著作権条約(Universal Copyright Convention)によって,現在の我が国のように著作権の発生について特段の要式を必要としない無方式制度を採用していたベルヌ条約(Berne Convention for the Protection of Literary and Artistic Works)の加盟国の著作物が方式主義の制度を持つ国においても,簡易な手続で保護されるようにするために,著作物のすべての複製物に適当な方法でかつ適当な場所に,①「©」の記号,②著作権者の名前,及び③最初の発行年を表示すれば,著作権の保護を受けられるようにすると規定されたことに由来するものです。また,「All rights reserved.」は,ブエノスアイレス条約(Buenos Aires Convention)において,他の加盟国で著作権の保護を受けるためには「権利を留保する旨の表示」が必要とされていたことに由来するものです。

ただ,現在では,ブエノスアイレス条約加盟国を含めて全世界の殆どの国はベルヌ条約に加盟しており,無方式主義を採用していることから,著作権表示なしで著作権の保護を受けることができます。そのため,「©・・・,All rights reserved」という表示は,著作権が認められるか否かという観点では実は法的にはあまり意味がない(少なくとも我が国をはじめ世界の主要な国においてそのような著作権表示をしていなければ著作権として保護されないということにはならない。)ということになります。
もっとも,冒頭に記載しましたとおり,©表示を付しておくことにより,著作権の侵害行為に対して警告を発する意味合いはあろうかと思いますし,著作権侵害者に対して損害賠償を求める場合に,侵害者の過失の立証が容易になる可能性があるという意義もあります。

ただし,仮にホームページ上で「©・・・,All rights reserved」といった著作権表示をしていたからといっても,実際にそのページで記載等されたものが著作権の対象となるか否かは全く別の問題ですので注意が必要です。すなわち,著作権の対象となる著作物とは,「思想又は感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」(著作権法2条1項1号)
とされていますので,いわゆる「ありふれた表現」などはそもそも著作権の対象として保護されないということになります。
                  以上

-Q.12-
【突然の取引中止の申し入れは・・・】

小売専門店のオーナーから、悲痛な叫びです。


当店のメインの仕入れ先のメーカー担当から,突然に「同じ市内で,そのブランドの直営店を出しますが,宜しいでしょうか?」と半年前に言われました。
たぶんその時にはもう決まっていた事後報告みたいでしたが,「まあ,うちにはうちの顧客が付いているし,直営店だからいいかと」了解しました。
ところが、なんとその直営店は,うちから400mほどの所にOPENしたのです。
驚きましたけど,関係ないかと思っていました。それから半年後に,そのメーカーの部長がうちの店にきて,「うちとの取引は今後できない」と突然言われました。
突然のことなので,色々問いただすと、どうも鳴り物入りでOPENした直営店の売上が悪く,売れないのは同一地域に同じブランドを取り扱っている店があるからだとなったらしいのです。
そこで会社内で決断したのが,当店との取引中止だったようです。
次のシーズンとはいえ,もうすでに発注した商品もあり,当店のお客様にも好評のブランドなので,なんともその対応に腹がたっています。
取り引きはもうしたくありませんが,何とも一方的なやり方で,これが業界の風習なのかと長年商売していて驚きと共に悲しくなりました。
その会社との契約書にはそのような取り決めはなく,事故や過失のみでの取引中止ですから,なんら当店に落ち度はないはずです。
不払いや不当な要求も一切していないのに,泣き寝入りだけなのでしょうか?

こういう場合に何か対抗策のようなことが出来ないものかと思い,連絡してみましたが,いかがでしょうか?


あってはならない事だと思いますが、過去にも似たような事例は多々ありました。直営を出したいメーカーと、取引先である小売店との共存共栄は可能なのかどうか・・・(増本)

 
-A.12-


ご相談の取引が長期間に及んでいる場合には,継続的取引の法理の適用が考えられます。
継続的取引の法理とは,期間の定めのない継続的取引を解約するには,一定の予告期間を設けるか,又はその期間に相当する損失を補償する必要があるというもので,裁判例上認められた判例法理です。
ご相談の取引の詳しい内容は分かりませんが,参考として,平成22年7月30日に東京地裁が継続的取引の法理を適用して,解約した側の損害賠償責任を認めた事例をご紹介します。

(事案の概要)
A社(ワイン輸入販売会社)は,B社(海外のワインメーカー)との間で,ワインの輸入販売を内容とする販売代理店契約を締結し,その後18年間にわたって取引していました。
しかし,A社はB社から,ある日,約4か月後に契約を解約する旨の通知を受けました。なお,本件と同様,A社には契約を解約されるような義務違反等はありませんでした。
そこで,A社は,B社が解約を行うには少なくとも1年間の予告期間を設けるべき義務が認められるはずであり,B社の解約通知はその義務に違反しているなどとして,損害賠償を求めました。

(裁判所の判断)
これに対し,裁判所は,18年という長きにわたり取引が継続されてきたこと,その間にA社は日本におけるワインの売上を大幅に伸ばしてきたことなどに照らせば,A社において将来にわたってB社のワインが継続的に供給されると信頼することは保護に値するものであるから,B社が契約を解約するには,1年間の予告期間を設けるか,その期間に相当する損失を補償すべき義務を負うものと解されるとした上で,B社の契約違反を認め,A社の8か月分(1年間-実際の予告期間4か月)の営業利益相当の金額を損害賠償として支払うよう命じました。

(解説)
ご相談の取引である商品の売買契約は,契約自由の原則の下,いつ誰とどのような売買契約をするかしないかといったことは,あくまでもそれぞれの当事者が自由意思に基づいて決定することができるものであるため,一方当事者がある時点において取引を終了させることも,契約書等に特段の定めがない限り,それ自体は原則として自由に認められるはずですが,当該取引が相当長期間に及ぶことにより,今後も当該取引が継続されるということについて相手方当事者が相当程度信頼しているという実情があり,かつ,当該信頼が法的保護に値するとまで認められる場合には,一定の範囲で当該信頼を保護しようというのが継続的取引法理を認めてきた裁判所の考え方であると言えます。
そのため,継続的取引法理の適用が認められるか否かは,取引の内容,期間,取引依存度等の様々な事情を総合考慮して判断されるものであり,また,予告期間の長さも1年というのはおそらく長い方で,事案ごとに裁判所によって合理的な期間が判断されることになります。
したがいまして,事案の内容によっては,ご相談者からメーカーに対し,一定の予告期間分の損害賠償を請求してみるのも1つではないかと考えられます。
                 以上

-Q.11-
【着古した制服は誰のもの?】

 販売スタッフからのご質問です。切実です…
====================
私はある有名ラグジュアリーブランドの店頭販売をしていました。
そのブランドの販売員は、すべて会社から制服を支給されています。
それもシーズンごとに支給され、前シーズンのものは返還しますが、店長の裁量で許可をもらえば返還しないこともあります。
年間で50万円相当の制服(スーツ)ですから、他の店舗の人でそのままもらったり、古着でプレミアで販売したりする人も過去にはいたらしいです。

今回私はすでに先月末で退職し、何も言われなかったので、制服もそのまま自宅にあります。
すると2・3日前に会社から通知が届き、至急に制服を返還するようにと言ってきました。
最初の入社のときにはそのような話しはなかったと記憶していますが、いまでは定かではありませんし、雇用契約書にもなかったような気がします。

しかもなぜか私にだけそのような通告がなされるのが合点がいきませんが、それはさておき、雇用契約に取り決められていない支給の制服は返さなければならないものですか?

通告書には、返還されなければそれは横領だと書かれていますし、万一転売していたら窃盗だとも。これは法的にはどうなんでしょうか?返還しても良いのですが、かなりボロボロですけど…。

==============================
さあこの問題、南先生はどう判断するのか?
 
-A.11-


 本件の場合,ご相談者は会社に制服を返還すべきことになると考えられます。

まず,販売員が会社から制服を支給された場合,その法律関係としては,貸与,買取,贈与などが考えられます。
そして,販売員が会社を退職する際,制服を会社に返還する義務を負うか否かは,制服の所有権が会社にあるか,それとも販売員にあるかによって決まることになります。
この点,通常,制服は当初会社が用意するはずですので,制服の元々の所有権は会社にあると考えられるところ,その制服の所有権がその後,販売員に移転されたかどうか,すなわち,会社と販売員との間で,制服の所有権を販売員に移転させるという法律行為を行ったと認められるかどうかが問題となります。

そのような法律行為の例としては,売買,贈与などが考えられます。すなわち,会社から制服が支給されるにあたって,「制服代」などとして販売員が会社にお金を支払わされていたといった事情があれば,売買があったと認められる可能があります。
また,制服の支給に際し,口頭ではあっても「これはあなたのものなので,会社を辞めても返す必要はない。」といった話があれば,贈与が認められる可能性があります。
ご相談者がお尋ねの雇用契約書での定めの有無などは,そういった契約の有無を判断する一つの材料(証拠)ということになります。

これに対し,特にそういったやり取りが何もない場合には,販売員は会社から,会社の所有物である制服の貸与を受けているのみ,すなわち法律的には使用貸借契約(無償で使用できる)に基づいて使用を認められているに過ぎないと考えられますので,前提となる雇用契約自体が終了した以上,速やかに会社に制服を返還すべきということになると考えられます。

ちなみに,ご質問の中にあるように,店長が許可すれば制服を返さなくても良いかどうかは,その店長が会社からそのような処分行為を行う権限,すなわち,会社の所有物を販売員に無償で譲渡する(すなわち贈与する)権限を付与されているか否かによりますので,そのような権限を付与されていない場合には,店長にはそのような裁量自体がありませんので,やはり制服は会社に返還すべきということになると考えられます。
その意味で,元々会社の所有物である制服について,自分に所有権が移転されたという明確な根拠がないにもかかわらず,それを会社に無断で第三者に販売したりする行為は,刑事上(横領ないし窃盗)あるいは民事上(損害賠償)の責任を問われる恐れがありますので,注意が必要です。
                  以上

-Q.10-
【倒産その時、委託と買い取りは…】

関西のあるお店から切実な質問です

先月末に取引先のメーカーA社が倒産しました。突然だったので月が替わるまで知らず、他のメーカーさんから聞いて驚いたぐらいです。
A社とは結構な取引もあり、営業マンも良くしてくれました。ただ、その営業さんとは今連絡も取れない状況です。
実を言うと、取り引きした商品が店頭に残っていますが、これは実は委託なのです。
営業さんが本伝を切って、納品してくるのですが、「入金は売れた分だけでいいから」という甘い言葉を信じて今までそうやってきました。
だから、月末になると売れない商品を返して、取り敢えず請求を減らしていました。そして月が替わると新しい商品が納品されてきました。
まあ、営業さんの成績もあったのでしょうが…。
ところが、その内容は口約束だけなので、書面も交わしていません。
今ある在庫と買い掛け(委託)は一体どうすればいいでしょうか?
商品を返すにもどこに返せばよいのか判りませんし、もし請求に対して管財人から支払えとなったら支払わなければならないのでしょうか?それとも理由を言えば判ってくれるのでしょうか?教えてください。


またまた、よくありそうな話しです。いやよくあってはいけないのですが、営業も成績欲しさに「少しだけ置いといて…」状態が、恒常化してしまうのです。
さて、南先生の名回答は・・・


 
-A.10-


 ご質問の事実関係を前提とすれば,ご相談者のご主張は認められる可能性が高いのではないかと思います。

 すなわち,まず本件では,A社とご相談者との間の取引がいわゆる「消化仕入」なのか,それとも「買取方式」なのかという点が問題となります。
 「消化仕入」とは,小売店に陳列する商品の所有権を卸業者やメーカーに残しておき,小売店で売上が計上された段階で初めて仕入が計上される(売買が成立する)という取引形態をいい,「売上仕入」と呼ばれることもあります。
これは,小売店からすると在庫リスクを抱えずに商売をすることができるというメリットがあります。
 これに対し,「買取方式」は,通常の売買と同様,小売店での売上計上の有無にかかわらず,商品が小売店に納入された段階で売買が成立するというものです。
 そして,本件のような場合には,消化仕入であれば,ご相談者はA社に買掛債務を負っておらず,商品をA社の破産管財人に返還すればよいということになります。他方,買取方式であれば,ご相談者は商品を返還する必要がない代わりに,A社の破産管財人に対して,それまでに納品された商品全額についての買掛債務を支払わなければならないということになります。
 それでは,本件ではどちらと判断されるのかが問題となりますが,こういった場合,
裁判所はご相談者とA社との取引の内容(合意内容)について,客観的事実から当事者の合理的意思を解釈して判断するということを行います。
 すなわち,まず契約書があればそれを参考にしますが,本件のように契約書がない場合であっても,これまで当事者間でなされていたやり取り,具体的には,「担当営業マンが口約束で,売れ残ったら返品してもOKと言って置いていく」,「そのため売れた分のみ支払いをしていた」,
「店側に毎月の請求額は多くなるが,支払いは売れた分だけ。」,「さらに月末には返品をしてまた新しい商品が次月に納品されるという具合」といった
事実関係を前提に判断することになります。
 そうすると,これらの事実関係によれば,ご相談者とA社との間の取引内容(合意内容)は,納品はするが支払は売れた分のみで良い,かつ,月末には売れ残り商品を返品して良いというものであると認められますので,それは
取りも直さず「消化仕入」に他ならないと判断されることになります(買取方式なのであれば,売残り商品の返品や代金未払いは当然には認められないはずです。)。
 これらは,仮に契約書で買取方式である旨明記されていたとしても,実際になされてきた運用(事実関係)が上記の内容なのであれば,裁判所は契約書の記載内容にかかわらず,ご相談者とA社との取引はやはり消化仕入であると判断する可能性が高いと考えられます。
 同様に,例えば,「賃貸借契約書」を取り交わして他人の家に住んでいる人が,長年にわたってその他人にお金を一切支払っていない場合にその建物利用に関する契約は,「賃貸借契約」ではなく「使用貸借契約」であると裁判所が認定する事例も見受けられますが,裁判所から見れば,「契約書」も当事者の合理的意思解釈を行う上での参考材料の1つであって絶対的なものではないということが言えます。
 以上の次第ですので,実際のお商売では契約書が取り交わされていない,あるいは何らかの書面が取り交わされていても実態を反映していないといったことが多いと思いますが,
裁判所は実際の事実関係を最も重視して判断していますので,決して安易に諦められることがないようにご留意いただければと思います。
                  以上

-Q.9-
【再販売について】


 今回のご質問は、よくある再販売の件です。これも今の世の中ネット販売などもあって、非常に神経を使うもの…そのご質問とは

メーカー品の既製服にリメイクを施して、独自ブランドとして販売することは可能でしょうか?
販売する際は、以下のようにいたします。
1)洋服は日本のメーカーのブランドの品ですが、商標タグ、品質表示タグは自社のものに全てつけかえます。元のブランドの情報は一切載せません。
2)洋服には、もともとのブランド名、マーク等は入っていないものを扱います。生地も、特殊な模様の生地ではなく、無地もしくは、一般的なチェックやストライプボーダー、水玉等の洋服のみ、扱います。
また、特殊性の高いシルエットや、縫製を施したデザインは扱いません。
3)上記を踏まえたうえで、オリジナル製を出すために、オリジナルデザインのマークを全ての服に刺繍します(有名ブランドのロゴのようなイメージで オリジナルデザイン刺繍をつけます)。
差別化が足りなければ、ボタンや、リボン等 パーツを違うものに付け替えたり、ブローチなどを製作してセットの商品にして加えますが全体的な洋服の印象は、リメイク前のものになります。たとえば、U社のポロシャツを買ってきて、刺繍を施し、あるいはボタン等も付け替え、品質表示ネームやネックネームを、自社のものに付け変え自社ブランドとして再販売することは、法律的に可能でしょうか?

 
-A.9-


 結論的には,法律上違法とはならない場合もあるでしょうが,あまりお勧めできないということになるのではないかと思います。

 まず,市販の洋服をリメイクして独自ブランドとして販売する場合,そのデザイン等が意匠登録されていれば,意匠法違反になります。「意匠」とは,「物品の形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合であって,視覚を通じて美感を起こさせるもの」と定義されるもので(意匠法2条),特許庁の登録手続が必要なものです。同様に,特許庁に商標登録されているものであれば,商標法違反になります。
 しかし,そのような登録がなされていなければ,原則としてそれらの問題は生じません。
 他方,商品のデザイン等に創作性が認められるような場合には,著作権法違反の問題にもなり得ますが,一般的には洋服は著作権法が保護対象としている「純粋美術」ではなく,「応用美術」であると考えられるため,著作権法が問題になる場合は多くないと考えられます。
 さらに,ご質問の場合,一旦市場に出た商品を加工して市場において改めて販売するということですので,古物営業法との関係も問題となり得ますが,「古物」とは,「一度使用された物品」,「使用されない物品で使用のために取引されたもの」,または「これらの物品に幾分の手入れをしたもの」と定義されていますので(古物営業法2条1項),新品のみを扱う小売店から直接購入した物を売却する行為は,営業として行ったとしても「古物営業」に該当しません(営業として行わず一回的に行う場合も当然に該当しません。)。
 また,洋服のデザイン等に十分な独創性及び周知性が備わった場合には,それをリメイクして自社ブランドとして販売する行為は,著名表示冒用行為(2条1項2号),あるいは商品形態模倣行為(2条1項3号)として,不正競争防止法で禁止された不正競争と判断され,差止請求や損害賠償請求を受ける可能性がありますが,実際上は,ありふれたデザイン等の洋服にそのような独創性や周知性が認められない場合も多いとは思います
 そうすると,ご質問の場合,意匠登録や商標登録がなされていない以上,実際上はあまり問題にならないことが多いのも事実だと思います。
 しかし,洋服をはじめとする商品のデザイン等に関しては,従来上記のように意匠法,商標法,著作権法,あるいは一般不法行為法等による保護だけでは商品化を行った者の開発努力(その資本・労力の投下)を保護するという観点からは不十分であり,やはり他人の成果の不正利用(フリーライド)はできるだけ厳しく禁止されなければならないという考えの下,平成5年の不正競争防止法の改正により,上記のような規定が追加されたという経緯にあることなどに鑑みれば,やはりご質問のような行為は,不正競争防止法の趣旨に反する危険性を内包していると考えられますので,様々な問題を生じるおそれがあり,お勧めできないということになると考えられます。
                  以上

-Q.8-
【パーティのゲームについて】

さて、今からのシーズンこういうことが多々あるかと思います。良いタイミングで頂きました。幹事さん要チェックです。


 当店は,業歴60年の老舗の呉服屋です。この15年ぐらいは,本店の並びにブティックを開業し,地域の方々には喜んでもらっています。そして毎年12月頭には,両方の顧客に対して感謝の意味も込めて,少し早いクリスマスパーティを行っています。
 そのパーティーには,仕入れ先の方々もお呼びして,お客様と一緒に楽しんでもらっています。
その時の余興の一つとして,毎年恒例の100円じゃんけんを行って盛り上がっていました。
 ところが,先日あるメーカーのかたから,「毎年それをやると例え100円じゃんけんでも賭け事になるのではないか?」と指摘がありました。
まさかと思いますが100円じゃんけんでも,これは賭博行為というのか?それとも,いくらであっても,現金では賭け事なのか?
 たとえば,100円でカードを買ってもらって,そのカードをコインの代わりに勝者が取っていき,最後にそのカードと最初に買ってもらった現金総額とを交換するとどうなるのか?
 簡単に全員参加で,かなり盛り上がるゲームなので,止めたくはないのですが,法的にはいかがでしょうか?
 参加人数は多くて100人で,100円なら総額1万円ほどで,過去において最後に同額でチャレンジする強者もいましたが・・・
 こんなたわいもない質問を弁護士の方に相談できるのはこのコーナーしかないと思っての質問です。お許しください。

 
-A.8-


 賭博については,刑法に定めがあり,「賭博をした者は,50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし,一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは,この限りでない。」(185条)とされています。なお,常習として賭博をした者は3年以下の懲役に処せられます(186条)。
 賭博とは,「当事者において確実に予見し得ない事実に関して勝敗を決すること」をいい,当事者の一方が危険を負担せず,常に利益を得る仕組みになっているとき(詐欺賭博)は賭博ではないとされます。
 また,「一時の娯楽に供する物」とはその場での飲食物を賭ける場合などを言いますが,過去の裁判例では金銭はその性質上一時の娯楽に供するものとは言えないと判断されています。
 以上を前提に本件のじゃんけん大会を検討した場合,やはり賭博罪に該当しないとは言い切れないと考えられます。
 この点は100円でカードを買ってもらう方法をとっても実質的には同じと評価される危険性が高いと言えます。また,食事代や参加費として全員から予め100円を多めに集めておいて,その後にじゃんけんだけをして勝ち残った人に賞金を渡すという方法もあり得ますが,じゃんけん大会の費用として全員が100円を拠出していることには変わりありませんので,やはり実質的には同じと評価されるのではないかと考えられます。
ただ,形式的に賭博に該当しても,可罰的違法性がないと評価されるような場合には,違法ではないということになります。
 可罰的違法性とは,個別の刑罰法規が刑事罰を科すに値するものとして予定している程度の違法性のことを指し,質的あるいは量的に見てそのような違法性を有しないと判断される場合には,犯罪の構成要件に該当しないとされるか,又は違法性が阻却されるかにより,結果として犯罪は成立しないという理論で,我が国においても広く承認されているものです。
 そのため,100人で1円じゃんけん大会をする場合(合計100円)にはおそらく可罰的違法性がないと判断されると考えられますが,合計1万円,5万円,10万円,100万円となってくるにつれて可罰的違法性が高まってくるということになります。
 その意味で,また特に私の立場からは軽々なことは言えませんが,上記の点などを踏まえて無理のない範囲でお楽しみいただければ結構かと思います。
                  以上

-Q.7-
【雇用と解雇について】

 転職の際によくありそうなお問い合わせが当方に届きました…。貴方のところでもありそうですね。
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 先日私の所に1本の電話がありました。大阪のK店のオーナーからで,以前私の店にいた販売スタッフAさんのことでした。
 Aさんが来週から大阪のその店に勤めることが決まったようですが,私の店での勤務態度をよかったら教えてほしいというものでした。
 私は当時のことを振り返り,Aさんがまじめに働いていたことと,病気で入院中の母親の看病もしていたことなどを話し,そのために時々早退はあったことなどを話しました。
 K店のオーナーは少し驚いた様子でしたが,その時はそれでお礼を言われて終わりました。電話を切ったあとで何となく気になりましたが,それも時間と共に忘れました。
 数日後,そのAさん本人から電話が入り,「K店の雇用契約が破棄された。その理由が私が話した母親の看病のことだったとのことで,個人情報を漏らして,私の就職活動を妨害した責任を取って賠償するか仕事を斡旋してくれ」というものでした。
 私からすれば,親孝行でまじめな人柄だと言うことを伝えたかったのですが,それがあだになってしまったようです。でもこのようなことが個人情報の漏えいと損害賠償までしなければならないことなのかどうか聞きたくて相談しました。
 また,そういう事情を本人がK店に伝えてず黙っているのも問題なのではないでしょうか?
-A.7-


 お尋ねの点については,まず労働基準法22条4項の規定をご理解いただく必要があります。すなわち,そこでは「使用者は予め第三者と謀り,労働者の就業を妨げることを目的として,労働者の国籍,信条,社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信をし,又は退職理由証明書等に秘密の記号を記入してはならない」とされています。
 これは,労働者の就職を妨害するブラックリスト,つまり要注意人物であることなどを記載した書類を作成することを禁止したものと解されています(違反者は6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。)。
 これに対し,事前に申し合わせることなく,本件のように労働者に対して個別の問い合わせがあった場合,これに回答を与えることが可能かという問題があります。
 この点,労基法22条4項で禁止されているような本来労働契約とは無関係な事項に関する回答は原則として禁止されるというのが実務の通説でその旨の行政解釈もあります(昭23.9.13基発17号)。
 ただし,労基法22条4項で禁止されている以外の諸事項については,たとえ労働者の就業を結果として妨害することがあったとしても,特にプライバシー等で保護すべきものでない限り,回答に応じることは問題ないと解されます。
 本件では,病気で入院中の母親の看病をしていたため時々早退していたという情報が上記に該当するかという問題になりますが,労基法22条4項に定める労働者の国籍,信条,社会的身分若しくは労働組合運動に関する事項でないことは明らかで,プライバシーとも言えないと考えられますので,そのような回答を行ったこと自体で直ちに損害賠償請求を受けるといったことにはならないのではないかと考えられますが,個人情報やプライバシー等の問題はデリケートな取り扱いが必要な場合が多いため,慎重に対応する方が無難であることは間違いありません。
 なお,「経歴詐称」は懲戒事由とされ,代表的なものは最終学歴や職歴,犯罪歴に関するものですが,多くの企業の就業規則では「重要な経歴詐称」に限定されていると言われています。
 本件のような場合,原則として「重要な経歴詐称」に該当するとは認められないと考えられますが,経歴詐称が懲戒事由となる根拠は労働契約上の信義則違反であり,労働者に対する全人格的判断を誤らせる結果となることにあるとされる以上,母親の看病で早退しがちになるという事情があるのであれば,信義則上やはり使用者に告知すべき義務があり,それを行わない場合は全く問題ないとは言い切れないのではないかという考え方もあり得ます。
                 以上

-Q.6-
【賃金体系の変更について】

現況の不景気を受けて当社の業績は芳しくありません。そこでこの際、思い切って就業規則・給与規定を変更し、従業員の賃金を下げたいと考えています。
従業員の同意なしに一方的な賃金の減額は認められるのでしょうか?
 
-A.6-


本件では、就業規則と一体をなすものとして給与規定が定められていると考えられます。使用者が就業規則を従業員に対して一方的に不利益に変更することができるのかという問題がたびたび裁判で争われてきました。
 現在、この問題については一応決着がつき、最高裁判所の示した考え方によって裁判実務が運用されているという状況です。

 その考え方とは、「就業規則の不利益変更は、使用者による一方的な変更であるために原則として許されないが、労働条件の集合的処理、特に画一的な決定をたて前とする就業規則の性質から、例外的にそれが合理的なものであれば変更できる」というものです(合理の原則)。

 その合理性の有無は、以下の7つの要素を中心に総合考慮して判断されることになっています。

 (1)就業規則の変更によって労働者が被る不利益の程度
 (2)使用者側の変更の必要性の内容・程度
 (3)変更後の就業規則の内容自体の相当性
 (4)代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況
 (5)労働組合等との交渉の経緯
 (6)他の労働組合または他の従業員の対応
 (7)同種事項に関する我が国社会における一般的状況

 本件では、賃金の減額幅にもよりますが、少なくとも従業員と十分に話し合いながら進めない限り、上記の7要素を満たさないものとして、変更は認められない可能性が高いでしょう。
 就業規則は「常時10人以上の労働者を使用する使用者」に対して作成及び労働基準監督署への届出が義務付けられています(労働基準法89条)。これを従業員に周知させる義務もあります(同法106条1項)。作成・届出義務違反に関しては30万円以下の罰金という罰則が定められています。就業規則は従業員の労働条件を規定する重要な役割を担うものです。また従業員から未払い賃金等で裁判所に訴えられた場合に、裁判所に対し就業規則も作成・届出していないような会社なのかという悪い心証を与えてしまう恐れもあります。そういった意味から、常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成・届出しておかれることをお勧めいたします。
                  以上

-Q.5-
【残業について】

アパレルメーカーからの問い合せ。
『恥ずかしながら当社は現在サービス残業が日常化している状態です。仮に従業員から訴えられたらどうなるのでしょうか?時間外労働,割増賃金などについて教えてください。』
-A.5-


1.法律上「労働時間」とは、従業員が労働を提供している時間(休憩時間・通勤時間は含みません)をいいます。労働基準法では、会社は原則として18時間、1週間40時間までしか従業員を労働させてはいけないことになっており、これを「法定労働時間」といいます。
そこで、会社が「法定労働時間」を超えて労働者を働かせたいときには、労使間で「
36協定」と呼ばれるもの(労働基準法36条)を締結し、この協定書を労働基準監督署に届け出ることにより、以下の通り一定の限度で労働時間を延長することができます。

通常の限度時間 変形労働時間制の限度時間
1週間 15時間 14時間
2週間 27時間 25時間
4週間 43時間 40時間
1か月 45時間 42時間
2か月 81時間 75時間
3か月 120時間 110時間
1年間 360時間 320時間
*この届出をせずに法定労働時間を超えた労働をさせた場合は、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金という刑事罰を科せられる可能性があります。

2.そして、法定労働時間を超える「時間外労働」に対しては、いわゆる「残業」として、法律上以下の計算による「割増賃金」を支払う必要があります(なお、18歳未満の従業員は時間外労働は認められていません)。
割増賃金=1時間あたりの通常賃金
×時間外労働の時間数×割増率
*「1時間あたりの通常賃金」には、家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・臨時に支払われた賃金・賞与など・住宅手当は含まれません。

*「割増率」は以下のとおりです。

時間外労働 25%以上 8時間/日以上の労働時間
時間外労働 50%以上 1ヶ月間の残業時間が60時間を超えた場合(※)
深夜労働 25%以上 午後10時~翌午前5時
休日労働 35%以上 法律で定められた休日
休日+
時間外労働
35%以上 休日労働は特殊な時間外労働と考えられ、8時間を超えても25%は加算されません。
時間外+
深夜労働
50%以上 時間外(25%)+深夜(25%)
休日+深夜労働 60%以上 休日(35%)+深夜(25%)
※中小企業に関しては、この制度が「猶予」されています。中小企業に該当するかどうかは 資本金の額、従業員数で判断されます。なお「増えた部分」の残業代(25%)については、これに相当する休暇を与えれば、支払いに代えることができます(平成22年4月1日施行の改定労働基準法。

3.このように、仮に貴社が従業員に対して時間外労働を行わせていると認められる場合、従業員から訴えられた場合は、上記の割増賃金による残業代を支払わなければなりません。
そればかりか、「付加金」(労働基準法
114条)として、裁判所が認める残業代と同額のお金をプラスして支払うよう命じられる可能性が高いと考えられます。ただ、未払賃金請求権の消滅時効期間は2年です。時効が成立している場合にはそれを除いた直近2年間分の残業代が対象となります。

お問い合わせの案件が現実にならないよう、日頃から適切な労務管理に努めることが重要です。
                  以上


-Q.4-
【商品のコピーについて】

商品のコピーは、アパレル業界は日常茶飯事に行われています。シーズン性が強いのでその時に特許やデザインの商標登録?をすることは不可能ですが、明らかにコピーされていることが判った場合は、どういう対処の方法があるのでしょうか?
一応先方には文書で警告していますが、どこまで守られるかわかりませんので。

f-A.4-


アパレル業界において、「商品のコピー」という場合には、衣服の生地にプリントされた「模様」や「プリーツ」をコピーするという場合と、衣服のスタイル・形状といった「ドレスデザイン」をコピーする場合とが考えられますが、いずれにしても、これらは原則として意匠法によって保護されることになります。
「意匠」とは、「物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるもの」と定義され(意匠法2条)、平成10年の意匠法改正により部分意匠登録(袖や襟に絞った登録)も認められることになりましたので、この意匠権があれば、違法コピーの差止や損害賠償を請求し得るのですが、これも商標や特許と同じく特許庁の登録を受けて初めて認められる知的財産権ですので、意匠登録がなされていなければ意匠権に基づく権利行使を行うことはできません。
そこで、次に考えられるのが不正競争防止法による保護です。
すなわち、衣服のデザイン等に十分な独創性及び周知性が備わった場合には、不正競争防止法という法律に基づいて、著名表示冒用行為(2条1項2号)、あるいは商品形態模倣行為(2条1項3号)として、違法コピー商品の販売差止、及び損害賠償を請求できる場合があります。ただし、それらの立証が容易ではないことや消滅時効が3年間と短く設定されていることなどに留意が必要です。
最後に、商品のデザイン等に創作性が認められるような場合には、著作権法による保護も一応考えられますが、一般的には衣服は著作権法が保護対象としている「純粋美術」(実用上の制約を受けずに自由に創作されるもの)ではなく、「応用美術」(実用品に美的創作を施したもの)と考えられるため、純粋美術と同視されるほどに創作性が高いものでない限り、著作権法による保護も受けられないということになります。
このように、商品のデザイン等に関しては、意匠登録をしない限り保護し難いというのが実際のところです。
ただ、その違法コピーにこちらが製造を委託した工場が関与していることが判明したような場合には、その製造委託先に対して債務不履行責任や不法行為責任に基づき損害賠償を請求し得ることになると考えられます。
                  以上

-Q.3-
【商標登録について】

メーカーA社からの問い合わせ。
10年以上自社ブランドとして使用していたブランド名が、実は大手B社の未使用のブランドで登録されていました。
A社は当時からブランドの商標登録をしておらず、そのままにして直営店舗名もそのブランド名と同じにしてチェーン展開していきました。
この場合、B社が使用差し止めをすれば、まずそのブランド名で商品は作れないでしょうが、店舗名も同じことになるでしょうか?
B社が店舗までの範囲で登録していなければ、営業可能でしょうか?
-A.3-


特にアパレル業界に関してはブランドにまつわるトラブルのご相談はよくお受けします。
まず、「ブランド」の和訳は「商標」ですが、「商標」とは「商品」や「サービス(役務)」を他社のものから識別するための標識、すなわち「マーク」とお考えいただければ結構です(商標法2条1項)。
ただ、商標にも色々な次元があり、例えばトヨタ・花王などの企業全体を表す商標(ハウスマーク)やマジェスタ・アタックなどの個々の商品を表す商標(ペットネーム)、さらにPanasonicなど商品の総称として使用される商標(ファミリーマーク)などがあります(なお、会社の名称を意味する「商号」と上記「商標」とは全く別のものですが、「トヨタ」などのように「商号」を「商標」として登録している場合もたくさん見受けられます。)。
また、商標登録をするためには、登録する「マーク」とともに,「区分」を選ぶ必要があります。「区分」とは、使用する商品やサービスを分類したもので、例えば「服」なら第25類、「アクセサリー」なら第14類、「バッグ」なら第18類といった具合に決められています。このような区分をいくつか選ぶ必要があるのです。
さて、ご質問にあるように、A社が使用していたブランド名が、実は同じアパレル業者であるB社の商標として登録されていたということであれば、A社はB社が商標登録の際に選択した区分(「服」や「アクセサリー」等)に属する商品やサービスに関しては、原則としてそのブランドを使用できません。B社の「商標権」を侵害することになるからです。
また、A社が「服」そのものに当該ブランド名を使用しなくても、「服」の販売を行う店舗名として、B社が登録しているのと同じブランド名を使用する場合には、やはりB社の商標権を侵害するということになります。
しかし、A社がB社の商標登録出願前からそのブランドを使用し、かつそのブランドはA社の商品やサービスを表すものであると消費者に広く認識されているなどの要件を満たす場合には、法律上「先使用権」(商標法32条)が認められ、A社は例外的にそのブランド名を継続して使用することができます。
なお、近年、商標法が一部改正され,平成19年4月1日から、小売業、卸売業の方々が使用するマークをサービスマーク(役務商標)として保護する制度(小売等役務商標制度)がスタートしました。この改正により、これまで商標の保護が及ばなかったショッピングカートや店員の制服などに使用している商標も保護できるようになり、広範な商品を扱っている場合でも、安価に権利取得ができるようになりましたので是非一度ご検討ください(詳しくは、特許庁のホームページ等をご参照ください。)。
                 以上

-Q.2-
【倒産会社の商品について】

ブティックを経営して2年になります。
今年の春から新規のメーカーさんと取り引きを初めたのですが、先月末に突然その会社が倒産しました。今店にある商品と、買掛金の支払いはどうすればよいのでしょうか?
そこからはまだ何も通知が来ないので、このまま売って良いものかどうか?

-A.2-


よくあるお話ですね。
ただ,本件のケースは,急いで債権保全が必要な取引先の倒産ではなく,あくまでも仕入れ先の倒産ですので,原則として,それまでと同様の処理を続けていただければ結構です。
すなわち,まず買掛金はそれまで同様,約定どおりの期日にメーカーに支払わなければなりませんが,メーカーの破産管財人弁護士から請求書が届いた場合には,その弁護士の指定する口座に支払う必要があります
(本当に管財人なのか確かめたい場合には,裁判所に電話すれば教えてもらえます。)。
この点,商品に瑕疵(キズ)があったなど,こちらに一定の言い分がある場合には,破産管財人と値切り交渉を行う余地があります(破産管財人はできるだけ早く破産事件を終結させる必要があるため,ある程度柔軟に対応する場合が多く見られます。)。
ただ,こちらの買掛債務についてメーカーの債権者から差押えがなされた場合には,こちらはその差押債権者へ支払うか,供託をしなければならず,誤ってメーカーへ支払ってしまうと,その後差押債権者への二重払いを余儀なくされてしまいますので,くれぐれもご注意ください。
商品については,買取仕入れ,委託仕入れ及び消化仕入れによって対応が異なり得ますが,いずれにしても,こちらで仕入処理(資産計上)したものについてはこちらに所有権があるため,返還義務はありません。そうでないものはメーカー(ないし破産管財人)へ返還する義務を負いますが,こちらがメーカーに債権をもっている場合には,商事留置権(商法521条)が成立しますので,メーカーがこちらの債権を支払うまでは預かった商品を返さないと主張することができます。
                  以上

-Q.1-
【個人情報について】

先日アパレルメーカーを退職した者です。
出社最終日に会社から取り引き先の名刺の提出と個人携帯の取り引き先の記録はすべて抹消するように言われました。名刺は良いにしても、個人の携帯の中身まで言われる筋合いはないと思うのですがいかがでしょうか?
数年前の個人情報保護法施行の時に、会社の作った書面に印鑑を押しましたが、私には控がないのでそこまでの事を書いてあったかどうか今では判りません。
-A.1-


まず,大前提として,「個人情報の保護に関する法律」(以下「法」)の対象となる「個人情報」とは,「生存する個人に関する情報」(法2条1項)であって,法人は含まれません。
したがって,会社を退職する際に,「個人情報」を理由として,会社から取引先(法人)の名刺の提出や個人の携帯電話に登録した取引先(法人)の電話番号等を抹消するよう請求される謂れはないということになります。
この点,会社が作成し,あなたが署名押印した書面にどのように記載されていたのかを確かめるため,まずは会社にその写しを交付するよう求めるべきですが,いずれにせよ,会社の請求は成り立たないのではないかと考えられます。
ちなみに,会社が従業員の退職にあたって,競業他社への再就職を一定期間禁止する旨誓約させる事例も見受けますが,そのような制約は従業員の職業選択の自由(憲法22条1項)を不当に侵害するものとして原則無効であると考えられています。
                   以上
 


 公開 Q&A についてのご注意
公開Q&Aでご注意頂きたいのは、ご質問に対するお答えは、どちらか一方の肩を持つものではなく、あくまで法律にのっとって、平等でかつ客観的な判断にてお答えするものです。そのため、内容によっては相談者ご自身の利益にならないこともあります。その点をお含みおきください。
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